terra〜物語のガードナー

物語を紡ぎ出すことに人生を費やしているインディーズ作家・多部良蘭沙が、日常で感じたことを綴るブログです。どうぞ、よろしく!

もはや笑いものにするしかない

 

 

ずっと以前、

テレビのバラエティー番組に対して

不快感を語る女優さんがおられました。

 

それは老人だけを集めたクイズ番組で、

飛び出した珍回答で笑いを取るというもの。

 

「年老いた方に失礼だと思う。

 敬意を払ってほしい」

 

そうおっしゃっていました。

 

たしかに〝歳上を敬う〟という

孔子の時代からの教えを考えると、

ごもっともな意見。

 

しかし冷静に現実を見て、

はたしてそうと言えるでしょうか?

 

 

ガンダム』の生みの親である

富野由悠季さんが、

このように語っていらっしゃいました。

 

昔は長生きできるひとが限られていた。

だから、

歴史や知識の伝承者としての老人は、

コミュニティーにとって貴重な存在だった。

 

しかし今は高齢化が進み、

愚にもつかない老人が増えてしまったのだと。

 

たしかにその通りだと私は思いました。

 

おまけに今は情報があふれているから、

個人の知識に頼らなくても

社会がまわりますからね。

 

ということは、

つまり前出のクイズ番組は、

社会が高齢者をどう扱っていいのか

わからなくなった末に

生まれた企画だろうと思うのです。

 

〝もはや笑いものにするしかない〟

 

この結論は、とても正直だと思います。

問題はこれが失礼にあたるかどうか。

 

私は仕方がないと思っています。

 

だってもともとは、年老いた方々が

〝今の若いもんは〟と言って

下の世代を見下してきた

歴史があるのですから。

 

ただ、年齢差別はいけないと思います。

 

あと、自分が歳をとっていく上で

気をつけなければ、と考えているのは、

笑いものにされる側にならないように

していかなくては、ということ。

 

若者に擦り寄る必要はない。

だけど、社会の足を引っ張ってはいけない。

 

この敬老の日に、そう思うのです。

 

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