terra〜物語のガードナー

物語を紡ぎ出すことに人生を費やしているインディーズ作家・多部良蘭沙が、日常で感じたことを綴るブログです。どうぞ、よろしく!

9月入学論争について思うこと

 

まったく関係のない話から始めますが、

むかし『西遊記』というTVドラマがありました。

 

当時、子供だった私は

堺正章孫悟空を演じるこのコメディーが好きで、

よく観ていました。

キャラクターが魅力的だし、

ゴダイゴが歌うエンディングテーマが何より好きでした。

 

このテレビシリーズは海外でも放送されていたらしく、

本場である中華圏でもよく知られているのですが。

中国人と台湾出身、

ふたりの女性から時を異にして

まったく同じ質問を受けたことがあります。

 

「どうして三蔵法師を演じている俳優が女性なの?」

 

この質問はある意味、眼から鱗でした。

そして私は、

夏目雅子が男性を演じていても

まったく不思議に思わなかった理由を考え、

おそらく日本には宝塚歌劇があるからではないか

と答えました。

 

この女性だけで構成された劇団は日本のみならず、

世界的にもめずらしいものです。

そしてこの試みが成功し、定着した理由は、

おそらく歌舞伎の存在でしょう。

  

演者が男性だけの舞台で

男性が女性を演じることが根付いているのなら、

その反対があってもいいわけですからね。

 

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こういった日本人の性に対する懐の広さは、

時代を遡るとより鮮明になります。

明治維新以前は男性同士が

肉体関係を持つことに対して寛容でした。

 

〝男色〟と呼ばれますが、

それがしだいに

悪だとみなされることになった要因のひとつは、

欧米諸国からの批判だと言われています。

ご存知のようにキリスト教では、

同性愛はきびしく罰せられますからね。

 

 

日本は近代化の過程で

欧米の影響を強く受けてきました。

ですので、学校の九月入学も

そのひとつとしてありました。

 

それが大正以降

4月始まりになったのは諸説ありますが、

同性愛の問題と比較して守るべき文化かというと、

そうは思えません。

(ただ卒業式や入学式から桜が失われるのは、

惜しい気がしますが)

 

なんでもかんでも欧米にならえというのはよくない。

優れた自国文化はかならず守らなければならない。

しかしかといって

これだけ世界が狭くなってしまった以上、

適度に融通をきかせることも必要。

学校教育に携わる方々の柔軟な対応に期待します!