スマホに差し込んだイヤホンを耳に入れるだけで
音楽鑑賞は十分というひとにとっては、
なんだかよくわからない話で恐縮だが、
私は単体コンポーネントでシステムを組んで
音楽を聴いている。
ピュア・オーディオを追求しているわけではないので、
ほんとうに音響にこだわっているマニアからすると、
そうたいした音ではないのだが、
個人的には満足している。
つまり、
ここがオーディオのいいところ。
「自分がこれでいいと思ったら、それでよい」
のである。
もちろんこれが趣味ではなく、
クラシック喫茶を開業するためだとしたら、
とうぜんそこに置くオーディオシステムは、
万人向けの音にしなければならない。
しかし自分の部屋で自分だけが聴く場合、
自分の財布と相談して
自分がいいと思う音を創り出し、
自己満足に浸れればいいだけである。
私はそこに、
この趣味の良さがあると思うし、
またこれはオーディオにかぎらず、
趣味とは本来そういうものだと思うのだ。
ひとはいつも、
他人の目を気にしながら生きている。
特に学校や会社では、
それに縛られてしまうのがふつうだろう。
しかし勉強や仕事を終えた後、
だれにも文句を言われずに
自分の趣味に没頭できる自由があれは、
それは、素晴らしい人生だと思うのである。